それは、秋の夜。 いつもと変わらない通学路。
不意に、風が吹いた。 促されたように向いたその先には……
「こんにちは、地球の少年」
眩い光と、静かに停まる未確認飛行物体。 そして、怪しい男が一人。
平凡な高校生が遭遇したのは、 紛れもなくUFO。そして宇宙人。 否応なく厄介ごとに巻き込まれた主人公は 彼からとんでもない要求をされてしまい…
「あなたが思い出さないのなら、私はそれだけだったということ」
見知らぬはずのツインテールの少女。 渡されるガラスのキーホルダー。微かに浮かぶ、幼い日の記憶。
「離れていったのはあんたなのに……なんであたしがこんなに…」
ずっと一緒だった幼なじみ。 全てはこのために創りあげたものなのに、簡単に壊された。
「あの人の夢は、わたしの憧れなんです。……苦しいくらい」
音の世界に生きる、弱視の少女。 ピアノを弾き終わった彼女は、不安そうに後ろを振り返る。
「あの人を撃ったのは、わたくしです」
暗闇で銃口を突きつける黒髪の女性。 金と赤銅の瞳は、揺るがない。
「君が知りたいと思うのなら、いずれ時がくるさ」
突然現れた食えない笑顔の宇宙人。 明かさない不時着の理由。そして、彼の取る行動は。
「知りたくはありませんか」 解放されるメモリー。
「君は彼女を信じられるかい?」
全ては秋風の吹く夜に。
「自分のイメージと装置の波長を合わせて 擬似体を視覚的に形成・維持させているんだ」 「……つまりこれがお前の地球人のイメージだと?」 「いや、僕のセンスだよ」 「「最低」」
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